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Flexscheスケジューラ —— 成功事例

FLEXSCHE実例―K社

お客様DATA

設立 1952年(昭和33年)

事業内容 オフセット印刷機械を中心とする機械器具製造業

売上高 75億円(平成18年度)

従業員数 179

専務取締役

A氏

加工部 本山加工課 課長

K氏

加工部 加工課 加工一係 係長

T氏

加工部 本山加工課 主任

G氏

急激な増産、部品数増加、生産変更等で現場が混乱ボトムアップでスケジューラーにFLEXSCHEを導入

 オフセット印刷機を製造するK社は、売上高で05年度50億、06年度75億と右肩上がりの成長を続けています。その一方で、急激な増産、部品数増加、生産変更等により、製造現場では全体の状況把握が困難となり、その場しのぎの対応を余儀なくされ無駄も多く発生するなど課題も深刻化しました。こうした事態の打開を図るべく現場がスケジューラーの必要性を痛感する中、同社で行われたFLEXSCHEのデモを見た担当者は「これだ!」と確信。現場の強い後押しもありボトムアップで本社加工課、本山工場、組立の3ヶ所での導入が決まりました。変化に強いスケジューリング、工程の見える化等を実現しトータルなリードタイム短縮を目指す、同社の新たな挑戦がスタートしました。


急激な増産への対応に追われる製造現場

 1952年に設立されたK社は、リョービのダイカスト製品の加工工場として出発。その後、世界的にも知られるリョービのオフセット印刷機の立ち上げに協力し、現在では、オフセット印刷機の製造はK社の主力事業となっています。同社の担当製品は、中型の78シリーズ、小型の52シリーズ(単色、二色、四色以上)と、それらにオプション機能を付加した製品です。リョービが設計、生産計画、販売を行い、K社は資材調達から製造、組立まで一貫した体制で事業を支えており、その高い技術と品質は世界市場における競争力の源泉となっています。本山工場、加工課、組立課の3部署に導入し、同じ会社でありながら仕事内容がかなり異なるためFLEXSCHE導入には十分な打合せ時間を設けました。現在無事運用を開始されたのを見るとこの仕事に携ることができ本当に良かったと痛感します。お客様が慣れ親しんだ帳票を作成することで、FLEXSCHEの導入浸透がスムーズになるように努力しました。


代表取締役社長

K氏

アシスタントマネージャー

I氏

 FLEXSCHEのデモをK社にお見せした時に、現場の担当者の方から「まさに自分たちが求めていたのはこういうスケジューラなんですよ。」と言っていただき嬉しく思ったことを思い出します。FLEXSCHEのもつ操作性の良さ、柔軟性を高く評価していただいたと感じました。
 本山工場、加工課、組立課の3部署に導入し、同じ会社でありながら仕事内容がかなり異なるためFLEXSCHE導入には十分な打合せ時間を設けました。現在無事運用を開始されたのを見るとこの仕事に携わることができ本当に良かったと痛感します。お客様が慣れ親しんだ帳票を作成することで、FLEXSCHEの導入浸透がスムーズになるように努力しました。
 まだまだ課題はありますが、これからもK社の担当者とお互いに協力し合い、より良い仕組み、システムを構築し、業務効率化に貢献していきたいと思っております。
 同社では経営面で一つの目標だった売上高50憶円を05年度に達成。さらに06年度も売上高75億円と急成長を続けています。しかし三年前は「底でした」と、専務取締役のA氏は話します。「当時、月産20数台、人員も60名くらい削減し約110名体制でした。それが、いまは月産約50台、派遣スタッフも含め234名と人員も倍以上、ラインも一つ増やしました。三年前に落ち込んでいたのが嘘のような状況です」(A氏)。
 しかし、この急激な増産は製造現場に大きな混乱を招く要因にもなりました。工場が日々の対応に追われる中、無駄も多く発生するなど、様々な課題が浮上してきたのです。

人の手によるスケジューリングではもはや限界に

専務取締役

A氏

 生産量の増大だけでなく、多品種少量化により部品点数も増大を続け、現在では全体の部品点数は55千点に及んでいます。こうした状況の中、問題を一層複雑にしているのが生産変更です。「生産変更はラインが流れている途中でも受け付けています。問題は一つの部品が変わることにより、他の部品にも影響がでることです。例えば10個だったものを12個に変更することで、別な部品を10個から8個に減らす必要が生じたりと、このようなことがよくあります。排紙台の変更等では構造自体も変わってしまいます」(A氏)。

 生産変更による影響は小さなものを多く扱っている本社加工課に深刻な状況をもたらしています。「小さなものは小さいというだけで管理が難しいうえ、生産変更があると、各工程にどのくらいの仕掛りがあるのか、いまどの受注を生産しているのか全く把握できない状態になってしまい、その場しのぎの対応をしているというのが現状です」と、本社加工課のT氏は説明します。

 本山工場のK氏も別な視点から問題点を指摘します。「この機械にかけて次の機械へ、そして元の機械へ戻るというように、ダイアグラムの線を引いたり消したりして先の段取りをいろいろ考えていると、どうしても余計につくり過ぎてしまう傾向があります」。

 こうした工場の抱える課題に加え、短納期化がさらに重くのしかかってきます。「生産量も部品点数も設備も人もこれだけ増えてくると、いままでのように鉛筆で線を引いて計画を立てている状況ではありません。生産変更があっても手作業でもう一度計画を練り直している時間的、精神的余裕もないというのが現状です。しかし納期管理も進捗状況の把握も、しっかりとした計画があってはじめて可能になります」(K氏)。

 

思い描いていたものとマッチ、デモを見て実感

加工部 本山加工課課長

K氏


 現状を少しでも打開するためにK氏はExcel管理ベースでのスケジューリングツールを自らつくりはじめます。ちょうどそのとき、同社でFLEXSCHEのデモがインテグレーターのE社によって行われました。

 「まずFLEXSCHEの操作性と柔軟性に驚きました。生産変更にも手をかけることなくフレキシブルにスケジュールが組めて、三日先くらいまでみんながスケジュールを見ることができ、作業指示書も容易にだせる。私が思い描いていたもの通りの製品でした」。そう実感したK氏は実際のデータを使ったサンプル作成をエイシーティに依頼。数日後、サンプルを見てK氏の実感は確信に変わります。T氏もデモ時の説明からFLEXSCHEの柔軟性に大きな期待感を抱きました。

 ただ、導入にはもう一つ、越えなければいけないハードルが存在しました。それは、先に導入していた生産管理システムが立ち往生していたことから、その稼動を優先するという経営サイドの考えです。中断している大きな原因の一つは、本来、スケジューラーで行うべき工程管理を生産管理システムで実行しようとした点にありました。

 「生産管理システムは部品調達の用途で活用するもの、現場が本当に必要としているのはスケジューラーです」という現場の切実な声が経営サイドを動かします。まさにボトムアップにより本社加工課、本山工場、組立の三ヶ所でFLEXSCHEの導入が決まりました。


最大の目的はリードタイムの短縮

 現状の課題解決はもとよりFLEXSCHE導入による最大の目的はリードタイムの短縮です。FLEXSCHE導入を先行して進めている本山工場のK氏は、リードタイム短縮を実現するために次の3つのポイントを挙げました。・工程の見える化・効率化・加工、組立、出荷の一気通貫

 工程の見える化では、作業の確認や段取り面だけでなく情報の共有化も重要になります。「自分の作業だけでなく、全体の工程スケジュールの中で、自分のいますべきこと、これからしなければならないことが一目瞭然となるように、当社のフォーマットに合わせた加工予定表の作成をE社にお願いしました。これにより情報の共有化が図れ、自分の役割を認識することで意識変革にもつながります」(K氏)。


自分たちの本当にやりたいことを実現できる

加工部 加工課 加工一係 係長 

T氏

 FLEXSCHE導入の決定は200612月末、本山工場では2007年2月から本番さながらのテストランを行い、既に一部が稼働。このゴールデンウィーク明けの全体稼動に向け最終的な調整を進めています。

 「テストランを進めるうち、これもできるのではないかと。エイシーティさんにいろいろ相談しながら行っています。自分たちが本当にやりたいことを実現できるのもFLEXSCHEの魅力です。いま検討しているのは部品と部品の関連付けですが、これが終わればいよいよ全体稼動です」と、K氏は力強く語ります。

 スケジューリング作成の効率も向上しました。「丸1日要していた作業もFLEXSCHEならボタン一つです。

 操作も慣れてしまえば特に難しいところはありません」と、本山工場のG氏は笑顔で話します。オフコンで稼動している販売管理システムから今月の部品必要数をExcelに出力し、それを読み込むことでFLEXSCHEへのオーダーを作成。部品点数が非常に多いため自動でオーダーが作成できることは大幅な時間短縮につながります。

 オーダーに関して本社加工課では現状に即した工夫もしています。「特に小さなものにおける生産変更への対応は機械、人、納期に加え、素材連動との関係も非常に複雑です。現状での対応を考え、受注数や納期、素材の最小在庫等を可変にしておき、オーダーする仕組みを試しています。また今後、パターン分析も進め、スケジューリングの効率性も追求していきます。FLEXSCHEはパフォーマンスも優れているので、オーダーを変えていろいろ試してみるのも容易です」(T氏)。


効率化による利益面での貢献にも期待

加工部 本山加工課 主任 

G氏

 ボトムアップによる導入だけに現場には成果がより求められます。そのためにはまず動かすことが大前提です。「今回、導入に際し電話対応はもとより、実際に何回も足を運んでいただくなどE社のサポートにはとても感謝しています。全体稼動へ向け、非常にスムーズに進んでいると思います」と、K氏はサポート面も高く評価します。

 今後の課題の一つ、作業者への浸透については「運用をしながら徐々に図っていきたい」(G氏)。また、実績入力の効率化を図るためにバーコードの導入も検討中です。

 同社において工場の工程は20、組立の工程は50、平均リードタイムは約5ヶ月です。リードタイムのうち本山工場は約2.5ヶ月で、これを半月短縮することを同工場では一つの目標としています。「小さな無駄の排除が大きな改善につながります。当社は改善提案活動も積極的に行っており、加工予定表による見える化は活動の活性化にも役立つと思います」(K氏)。

 今後の展開として、生産管理システムを稼動させ部品調達に活用し、FLEXSCHEと連携させることで生産管理のさらなる強化も視野に入れています。FLEXSCHEの導入により将来の効率化に向けた方向性も見えてきました。

 「全体的には増産傾向にあり、効率をあげることにより利益もあがります。納期管理の徹底はもとより利益貢献面でもFLEXSCHEの導入には大いに期待しています。また市場の変化に応え、継続的な企業成長を実現していくために、FLEXSCHEの高い柔軟性は将来の課題解決においても非常に重要です」(A氏)。


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